実際に資格学校に通った筆者が綴る、日建学院とTACの比較2019年度版です。とても個人的な意見である、ということを忘れずに読んでもらえたらと思います。
資格学校に通う方は概ね、総合資格、日建学院の2校で迷い、価格面から日建かTACか…という悩み方をするのではないでしょうか。
この記事は、後者の、日建かTACかで悩む方に向けたものです。
結論から言うと、初受験者には日建学院、2・3年目の方はTACかな、というのが私の印象です。
特に、学科試験でTACや日建に通って何とか合格した方は、日建がいいと思います。
逆に、学科試験を独学でクリアされた方は、初受験であってもTACで十分かもしれません。
その理由を以下に説明していきます。
※捕捉
個人的には、学科試験はTACが超おすすめです。S・Nと違い、ちゃんと生の先生が教壇に立って教えてくれるので、モチベーションがめちゃくちゃ保てます。特に、新宿校&渋谷校の神部先生&井澤先生ツートップの講義は、かなりお得感です。(渋谷校は友達の話ですが)。お一人で5教科教えてくれるので、マジで神技だと思います。講義が白熱して時間オーバーしますが…しっかり教えてくれてありがたかったです。
資格学校に通うか迷ってる方、どの資格学校にするか迷ってる方に、少しでもお役に立つことを願ってます。
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私は2019年度に一級建築士試験を受けました。
TACで、学科試験+製図試験の早割パックに申し込んでいました。
※筆者は学生の頃、二級の学科は学生価格3万円の日建学院に通い、1年目の製図は独学、2年目は日建に通うも不合格となり時間を無駄にした過去があるため(3度目は棄権)、学科試験と製図試験セットでTACに申し込むことは、早い段階で決めていました。
(セット割りがある+TACは学科で落ちた場合、製図の代金が返金される仕組みがあったため。)
なので、元々はTAC一筋で試験を迎えるはずでした。
ただ2019年は、台風で製図試験が関東以北で延期になった年なんです。
正直、かなりガックリきました。
ただ、延期になったことで、3万円で日建学院の「一級建築士再試験対応講座」に通うことができました。
結果的に、学校に通った組としてはかなりお得に合格できた…のかな?
なので、以下はTACの製図対策講座の本講座と、日建学院の再試験対応講座の比較になります。それでも、各校の特徴は十分わかると思います。
TACの特徴
〈good〉
- 各講義で敷地のパターンを明確に示した課題が出てくるため、何を学んでいるのか理解しやすい
- 書込みが少なく、如何に効率的に書き上げるかを学びやすい(私のクラスでは、講座中盤以降は書き上がらない人はいなかった様な気がします)
- シンプルな講義なので、必要最低限やるべきことが分かり易い
- A2の回答だけでなく、A4版の回答もくれるのが地味に嬉しい(移動しながら記述を勉強しやすい)
- 基本的にざっくりした教育なので、手書きも取り入れやすい(EVのハコとか…)
- 予測が当たる年もあった様だが、2019年度は外れ…やはり情報量は大手N・Sに軍配あり??
〈bad〉
- 先生の質が校舎・曜日で大きく偏りがある
- エスキースの際の、考えるプロセスを今ひとつ教えてくれない(そういうノウハウをお金を払って教えてもらいたいんだけど…)
- エスキス用紙の使い方、スピードアップできるエスキスの書き方、など、初歩的な考えを話してくれない(手法を強制されるのは嫌ですが、最初から教えてもらえないと何のために通ってるのか…という気もします。)
※私はこちらのひづめさんのブログを、バイブルの様にして製図に挑んでました。他の記事もめちゃくちゃタメになるし、試験中の孤独感が紛れます。ありがとう、ひづめさん。
- テキストが貧弱(他校の問題に出題されている内容が分からなかったので、TACの教科書で調べましたが、そもそも載っていない…不安。)
- 解説はビデオ(学科は生講義だった分ちょっとがっかり)
日建学院の特徴
〈good〉
- 質問には学校基準の回答をくれる(先生個人の見解ではなく。例えば、断面で設備が重なる時にどう表現するか…みたいなところも、学校として推奨する書き方を教えてくれるので、先生の個人的な勘違いを伝授され不合格に近付く…なんて心配が少ない)
- テキストが親切
- 先生の数が多い
- エスキスのやり方から、表現の方法、綺麗さ、什器のスケール、断面のトラスの書き方まで、細部をしっかり見てくれる(これは個人差あるかもしれませんが、少なくとも私の通った校舎では見てくれました)
- 校舎に製図板を置いておける(友達から1台借りて、家用と校舎用にそれぞれ置きっ放しにしたら通学が楽ですね!)
〈bad〉
- 生徒同士の講評があり、グルーピングによっては時間の無駄(ここに1人ベテランな方がいると、ものすごく勉強になることもありますが…通常料金で無駄な時間になると、金返せ!って思っちゃいそう…。)
- 細部をこだわる教育方針からか、書き上がらない人がチラホラ…(再試験対策講座=本来なら本試験を受けてる時期なのに…!もしかしたら、私の様に再試講座だけに来た独学の人かもしれませんが)
- 細部にこだわるからか?エスキスや記述が遅い人が多い(これも偶然かもですが…)
- 人が多くて教室が狭い!(このご時世、対策が取られているかもしれません)
こんな感じでしょうか。
日建の再試講座初回、先生に「君は独学で製図をやってきたのか」と聞かれ、「夏からちゃんとTACに通っていたのですが…」というと「これで試験を受けてたら100%落ちていた」と断言されました笑 確かに、今思えばそうかもしれません。記述や空調の種類の知識も、かなり不足していました。
ただ、TACでも頑張ってきていたつもりだったので、その一言が悔しく、ひたすら分からないところを聞きまくり(設備が苦手なので、要求室と空調の関係や、空調種類ごとの考え方・図面への書き方…など、この時期に解ってないの!?みたいなこともどんどん聞きました。そのための学校です)
日建でのグループ講評の時間は、書き上げるのが早い人にタイムスケジュールを聞いてみたり、室の配置がうまい人には考え方のプロセスを聞いたり…貪欲に聞けるものは聞きまくりました。せっかく通うなら、これでもか!ってくらい利用しましょう。
資格ビジネスには本当にお財布が泣かされますが、やはりプロの手を借りることは効率的です。
(今までは安さが際立っていたTACも実績が出てきたのか、生徒が増え先生が増え、受講料が年々値上がりしてきているのが辛いところ)
(けどそれにしてもSの学科製図パック90万って…???)
また、製図試験は、純粋な技術を見るというよりも、試験として押さえるべきポイントを把握しているか、が大きい気がします。本当に設計ができる人でも、ポイントを押さえていなかったら落ちるんじゃないでしょうか、、。そういう意味で、学校はかなり効率的です。
余談ですが、初受験生は初受験生だけで、2,3回目の受験生は2,3回生だけで比較されるらしいですね。それを考えると、初受験で資格学校に通って、他の受験生と同じレベルに行っておかないと不利になるんだな、、ということを、一級の試験で学びました、(二級のときはまんまと?初受験を独学にしてしまい、落ちましたが。)
2019年の時点で、日建はTACの大体2倍のお値段…迷いますよね。
ただ、不合格となった場合、2〜3年間も資格ビジネスに投資し、自分の時間を浪費することを考えると、自分の実力に必要な資格学校を適切に選ぼう、という気になります。
さっさと試験は終えて、仕事や趣味に時間を使いたいですよね。
自分で納得できる勉強方法に出会って、目指せ合格!ですね。
written by N